住まい手が主役の家づくりを実践している京都の設計事務所です。

 

向日葵ハウス

 

東寺の五重の塔を東に臨む古くからの住宅街は、比較的小規模な建物が隙間を開けることなく建ち並んでいます。「高齢となり足を悪くされたお母様が、安心して暮らせるお住まいを」、というTさんの思いから始まった計画でした。建て込んだ地域でいかに太陽の光を取り込むか?というのが大きなポイントの一つとなり、太陽を向いて咲く向日葵のように・・ということで「向日葵ハウス」と名付けました。お母様が育まれてきた、ご近所さんとのお付き合いを大切に引き継ぐ仕掛けも織り込みながら、福祉施設の設計経験のあるTさんと一緒に、理学療法士さんのご意見も取り入れて造ったお住まいです♪。

 

 

 

居間から和室。玄関方向を見る。上部の吹抜から光が差し込み、風が抜けてゆく。

居間から庭・母の部屋方向を見る。

建物を一部L型配置とし、庭を2方向から楽しめる。

   

玄関脇の和室は、床の高さを40センチ上げ、居間側から腰かけられるようになっている。下部は引出し収納。 

 食事テーブルとキッチン方向を見る。

   

 床の高さを上げた和室は、玄関側から靴を履いたまま腰かけられるスペースとしても使える。建て替え前から、お母様がご近所のお友達と玄関先でおしゃべりを楽しまれていたのを継続できるための仕掛け。床の段差を利用した引出し収納は、更にその一部に踏み板を設け、和室ヘ上がるためのステップの役割も。

   

 玄関を入っところからの見通し。東の庭に面ずる窓から、明るい光。上部の吹抜けからも光が落ちる。、

 小さな造り付カウンター収納。下駄箱でもあり、一部は壁の向こうにある脱衣室からも使っている。が、実はお母さまの歩行に必要な手摺・手掛かりとしての役目が最も重要。
 
   

 和室。障子を閉めると落ち着いた客間として使える。

3枚の障子は全て壁の中に引き込みことができ、フルオープンにすれば居間と一体になる。右手は玄関ホール。

 床の間方向を見る。床柱の北山杉天然絞り丸太がやさしい表情を醸し出す。
   

 居間・食事室からすぐのところに高齢のお母様の部屋。

トイレも併設してあるので安心。トイレの引戸は、2枚を壁に

引き込む形で、開口幅を広くとれる。将来、車椅子での使用や介護者のスペースを考慮。

 引き戸を閉めると落ち着いた個室。
   

  2階畳コーナーから吹抜けを見下ろす。
左は南に面したバルコニー

 寝室・小窓の向こうは吹抜。

吹抜けを介して1階の母の部屋の気配を伺うことができる。

   
 2階ホール。

吹抜に面した木製格子は音楽好きのMさんの為のギターハンガー

 ギターをハンギングしたところ・・・カッコいい♪。
 

  階段昇降機。 使わないときは折りたたんで、壁から10センチ厚さに納めることができる。

 

   
 2階南側に、長さが建物の奥行分、幅1間の屋根上バルコニー。隣家までは更に半間あり、建てこんだ街並みでの日射取得を可能にしている。吹抜けを通して1階へも光を取り込み、その方向が季節や時間の流れを感じさせてくれる。1m以上張り出した上部庇が夏の日射を遮る役目をする。

 道路側外観。外壁はすっきりとした金属サイディングと一部左官壁の組合せで、木製格子がアクセント。

格子が内部と外部の視線をゆるりと仕切り、または繋ぐ役割をし、その間を風が通り抜けてゆく。